最近では、日本の医科大学などでも中医学を研究している機関が増えています。中医学はその名のとおり中国で発達した医学のことで、5世紀はじめのころに日本に伝わりました。東洋医学とも呼ばれています。
中医学は「病気をみるのではなく、病人を見る」と表現されます。中医学ならではの「寒・熱」や「心」の概念も含めて、その人の状態を把握していきます。また、西洋医学では病気になった時には、悪い部分を薬や手術で取り除いて治す治療法を取りますが、中医学では内蔵や各器官は繋がっているものとみて、体全体のゆがみを整えて治療をしていきつつ、食べ物や生薬でバランス・リズムを整え、自然治癒力を高めようとします。
今井こころさん/兵庫県
西洋の医学は検査をして以上がなければ病気と診断されないのに対して、東洋医学は数値の異常がなくても不調に感じるなら未病とし、健康な状態へ戻していく医学です。この考え方に共感しています!ケミカルなものを体の中に入れる治療法よりも、中医学や薬膳の知恵で自然に、健康でいたいと思います。
石井 瑠璃さん/東京都
中医学の考え方を学ぶのは面白かったです。五行説や陰陽論などに詳しくなれて、そのときの季節や自分の体調に合わせた料理ができるようになりました。
陰陽論は自然界のリズムや人の体の機能を「陰」と「陽」の2つに分けて捉える考え方です。陰と陽は、はっきりとした線引きがあって決まるものではなく、二つを比較した時の関係で決まることになります。例えば、一年の中では秋と冬が「陰」、春と夏が「陽」に属しますが、秋と冬を比較した場合には秋が「陽」で冬が「陰」になります。中医学では、陰陽の分類をいろいろな見方からの比較で決めつつ、それを体の状態の見極めに活かしていきます。
中医学がバランスの医学と呼ばれる特徴的な部分が、この五行の考え方です。五行説は、あらゆるものは「木(もく)・火(か)・土(ど)・金(こん)・水(すい)」の5つの要素が互いに助け合ったり、抑制しあったりしながらバランスが保たれているという考え方です。 例えば、「木」は「火」を育てる関係(相生の関係)であったり、「土」は「水」を吸い取り抑制する関係(相克の関係)であるなど、お互いに関係し合うことで、行きすぎや低下を防いで、健康を保つと考えます。
中医学では、陰陽や五行を取り入れた生活や食事が体の環境を整えて免疫力を高めると考えられています。その中医学の考え方をもとにその人の体質に合わせて食材や生薬を組み合わせた、おいしい健康料理が薬膳料理です。薬膳は中国で生まれ、3000年という長い年月をかけて受け継がれてきた健康料理です。
中医学には、病気というほどではないけれど、健康とは思えないという「未病」の考え方があります。未病のうちに体のバランスを整えたり、自然治癒力を高めるために、薬膳は効果的に働きかけます。先回りして体内バランスの乱れを整えて、病気になりにくくする薬膳は、これからますます必要とされることでしょう。
バランスを重要視する中医学の考えかたに基づいて作られるのが、薬膳料理です。体質や体調に合わせながら、毎日の食事で健康になれる薬膳は、取り入れたいという声も多かったのですが、 薬膳食材を入手しにくいことと、何よりもせっかくの料理の味が薬っぽくなることから、敬遠されがちでした!その薬膳を、「手軽」に「おいしく」実践しつつ、資格取得もできるのが、がくぶんの薬膳マイスター養成講座です。
陰陽五行の考え方を健康へのアプローチに活用するのは、ハードルが高いイメージを持たれがちですが、自分の体を知り、自分の体を整え、ケアすることに繋がる知識です。本講座は日本の薬膳指導の第一人者として活躍する、板倉啓子が監修・指導。板倉先生がおすすめする日本型薬膳・「和漢膳」のメリットは、日本で手に入れやすい食材を使いながら、パスタやサラダ、スイーツなど普段の食事をそのままに、わかりやすく薬膳を取り入れられることです。「自宅で作るのは難しそう」「おいしくないけど、健康のために我慢して薬膳を食べよう」など、そんな心配やストレスを抱えることなく、おいしく食べながら元気でキレイを目指せます。薬膳マイスター(和漢薬膳師)の資格が在宅で取得できます。
山﨑 一登さん/愛知県
しゃぶしゃぶ専門店を経営しています。鍋のレパートリーを増やそうと考えたときに、薬膳に興味を持ちました。中医学の「気・血・水」の考え方と、五行の考え方はたいへん面白いと思いました。全てを五つの性質に分けて、相性と相剋の関係でバランスが保たれているなど、ナルホドと思いました。薬膳は難しいものだと思いこんでいましたが、いくつか料理を作っているうちに、自分ならではのレシピが作れるようになりました。仕事にも活かせていますし、妻が会社に持っていくお弁当を薬膳で作ったところ、同僚の方からからも作って欲しいという反響が!クコの実のサラダや夏野菜とイカの竜眼和えなどを作って喜んでもらえました。講座をやって良かったと思います。
いかがでしたか。ここでは中医学の特徴とともに、一例として五行の考え方について改札しました。西洋医学はウイルスや細菌の病気の「治療」に強い半面、昨今日本で問題視されている生活習慣病には十分対応しきれていないのが現状で、中医学に注目が集まっています。中医学を基に培われてきた薬膳の人気が高まっているのもうなずけますね。西洋医学と中医学、それぞれの特徴やメリットを理解して互いを活かしていく姿勢がこれからは求められていくのではないでしょうか。体のバランスの崩れを食事で整えて健康を保つ薬膳を、みなさんもぜひ実践して健康的な食生活を送りましょう。
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