似顔絵ライターとして活躍されている田辺紀代美さんを取材しました


似顔絵ライターとして活躍されている田辺紀代美さん

カフェと見間違えるほどおしゃれなアトリエ

カフェと見間違えるほどおしゃれなアトリエ

間違えてひとつとなりのバスストップで降りてしまったらしい私たちは、坂の下から見上げるような形で、あるお家を目指していました。1歩近づくたびに視界に広がる洋風のお庭と、外壁を彩る雑貨の装飾。
まさにアトリエという言葉がぴったりの光景に私たちが感嘆の声をあげているなか
──「こんにちは」とやさしい笑顔で迎えてくださったのは、似顔絵ライターとして活躍されている田辺紀代美さん。

中にお邪魔させていただくと、さっそくこれまでの似顔絵作品が勢ぞろいでお出迎えしてくれました。

とても優しい空気に包まれたお部屋のなかで、手描きの絵にこだわりたいという田辺さんのイラストへの想いを伺いました。

ペットをはじめとした数十点のかわいらしい似顔絵の数々が

ペットをはじめとした数十点のかわいらしい似顔絵の数々

田辺さん:作品をブログにアップすると、お客様が自分の作品を見つけて喜んでくれるので、せっかくならと全部集めてみました

── 午後の柔らかな日差しが入るガラス戸の左右には、動物をはじめとした数十点のかわいらしい似顔絵の数々が。似顔絵ライターとしてのルーツはどこにあったのでしょうか。

絵を描き始めたのはアニメーターだった母の影響

田辺さん:子どものころから絵は描いていました。母親がアニメーターの仕事をしていて、その影響もあったと思います。特に何かを教えてもらったわけではなかったのですが、となりでまね事のつもりでしていたんでしょうね。ただ、似顔絵を描くようになったのは今からそう遠くありません。

進学、就職とその間は絵を専門に描く機会はなかったのですが、3人兄弟の一番下の子が生まれて少ししてから時間のゆとりもできたので、以前からからやりたかった絵を勉強しなおすことができました。

人とのつながりから始まった似顔絵づくり

人とのつながりから始まった似顔絵づくり

── 再び大好きな絵を描くようになった頃をとっても楽しそうに振り返る田辺さん。しだいに話は似顔絵ライターのはじまりへと変わります。

田辺さん:今住んでいるこの家を建てたのを記念して、お庭を使って友人らと2日間限定の雑貨ショップを開いたことがありました。

私も雑貨は好きでしたが、その時は自宅のスペースを提供する役割だったので出品はしていませんでした。

そんな時、私も何か参加したいなと思って犬の絵を描いて置いてたところ、ショップにいた方から自分の犬を描いて欲しいと仰っていただきました。
ビックリすることに、その後にブログを通してその方の犬仲間の方に似顔絵が広まって、次の依頼をいただいて。かれこれ4年間ずっと途切れることなく似顔絵のお仕事をいただいているんです。

受け取った方の心に明るい光を灯したい

田辺さん:オーダーを請けてから完成させるまでは、だいたい1ヶ月くらいをかけています。今は予約でお待ちいただいている方がいることもあって…

「ひとつの作品にかける時間を短くしてはどうか?」と周りが言ってくれることもあるのですが、そこはコツコツ仕上げていきたいなと思っています。

依頼者の方からすると、自分が飼っていたペットとそっくりな似顔絵を受け取りたいはず。そんな気持ちを思い浮かべながら、心をこめてじっくり描いていきたいです。

── ディスプレイされたこれまでの似顔絵の思い出を話してくれた田辺さん。ひとつのエピソードを紹介してくれました。
それは、かわいらしい犬のコーギーがお庭で今にも声をあげそうな、このイラストにまつわるものでした。

コーギーの似顔絵

田辺さん:このコーギーちゃんの絵は、実は引きうけられるか迷っていたものなんです。似顔絵を描くためにお預かりした写真がわずか数センチのもので…。
「もう少し大きな写真はありますか?」とお尋ねしたところ、お客様からは『 東日本大震災で被災をして、その写真以外全部流されてしまった 』というお返事でした。

それを聞いたら、もう「何とかするしかない…!!」と思って、同じ犬種の写真をインターネットで探して形や陰の具合を参考にして完成させたんです。

ペットの似顔絵を頼む方のなかには、ペットを亡くしてしまったり、悲しい気持で落ち込んでいる方が少なくありません。そんな人の心の奥に、ぽっと明るい光をともせたらって思うんです。

この絵をお渡しをした時に、『 うちの犬が帰ってきたよ 』と言ってくれたのを聞いた時は、改めてこの仕事のやりがいを感じることができました。

似顔絵作品作りの様子

柔らかい毛質の表現に欠かせない道具とは?

── お子さんが小さかったころは、みんなが寝静まってから夜遅くに作品づくりに取り掛かっていたようですが、 下のお子さんも小学校に通うようになってからは、日中に描くようになったそう。

ちょっとでも時間が取れるときに手を加えられるよう、作業スペースはキッチンのすぐとなりに。 この日は特別に、制作中の様子を見せていただきました。 デスクの上のかわいらしいワンちゃんの絵には、すでにお顔に色がついています。 そこに出てきたのは、鉛筆のようなスティックに付けられた[消しゴム]でした。

田辺さん:消しゴムを使って、ちょっとしたシワや光の加減に手を加えている段階です。このワンちゃんの場合も、明るい部分といっても一番明るい部分やグレーがかった感じなど 暗い部分と比べると3段階くらい違いがあるので、その違いを表現するため取り入れていた方法がこれでした

似顔絵作品作りの様子2

これからも、手描きで

── 田辺さんのお話で繰り返し出てきたのは、周囲の方への感謝の気持ちと「やさしいタッチにしたい」という手描きイラストへのこだわり。

田辺さん:コンピュータで描く絵の良さもありますが、心をこめて手作りしたいということもあって、手描きにはこだわりたいです。やさしいタッチにしたいなというのは常に思っていて、温かみや柔らかさを表現したいですね。

がくぶんの通信講座で知ったトレースの技術はすごく役立ちました。おかげで目や鼻や口の位置とか、シワ部分まで見逃さずにより正確な位置で描けるようになりました。今後描くことがもっと早く正確にできれば、より多くの時間を色を塗ることに使えるので、さらに技術を上げていきたいです。

心のゆとりが絵に出る

田辺さん:あと大切にしているのは、いい状態で描けるように、心にゆとりを持つようにしています。心にゆとりがない時って、気づかないうちに絵に出ちゃいますね。

今はお庭にあるバラの手入れを楽しんでいて、大事に育てたお花が綺麗にパァっと咲いた時の嬉しさは、一生懸命描いた絵で人に喜んでもらえる嬉しさと、共通点があるような気がします。
バラが開花する5月が楽しみです。

この仕事をしていて、大変だと思うことはないですね。時にはやり直し、描き直しになることもありますけど、その経験が自分の成長につながると思っています。

さし絵ライター養成講座に取り組む様子

いずれは絵の教室を開いてみたい

── スキルを向上させながら、いずれは絵の教室を開いてみたいという目標もあるようです。 バラの花や雑貨に装飾された、インスピレーション溢れるお庭で絵画教室が開かれるシーンを想像するだけでワクワク感が止まりませんね。「似顔絵に限らず、油絵など手描きに関することは新しい経験をどんどんしていきたいです。」と意欲的な田辺さんです。

インタビューを終えると、北欧をイメージしたというキッチンで温かいコーヒーをごちそうしていただきました。

外に出ると、来た時には風の冷たさに体が震えていたはずだったこの街が、今は太陽の光に優しくつつまれている。傾きつつある陽の光に照らされている屋根の数々を、高台から見下ろすように視界にとらえながら、そんな気がしていました。
田辺さん、ありがとうございました。

インタビューを動画で観ることもできます

※動画には音声が含まれています。再生機器の音量にお気をつけくださいませ。

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似顔絵ライター 田辺 紀代美さん
田辺 紀代美さん
千葉県在住の似顔絵ライター

家族はご主人と3人の男の子。ご主人はDIYが得意で、雑貨やインテリアが大好きな田辺さんが設計図をイラストで描くと、それを作ってくれるのだそう。

ブログ L’Atelier toile ~ラトリエトワル~ の贈り物
https://ameblo.jp/kt04/entrylist.html

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